銀星石のブログ

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銀星石のエッセイブログ

【アーマード・コアV二次創作】 Defeat the ⑨ プロローグ

 来年に発売されるアーマード・コアVの二次創作ですが、未発売のゲームを題材にしているために、当然十分な世界観や劇中の事件については全く把握していないため、発売後に大幅な修正があるかもしれません。







 ある時、世界を巻き込む大戦争が勃発した。 戦局はどうしようもないほどに泥沼化した。敵国を倒したと思ったら、また別の国が宣戦を布告してくる。。
 もはやどこの国が勝ったかではなく、すべての人類が戦えないほどに疲弊しなければ、戦争が終わらないという状態にまで陥った。
 ある科学研究施設で働く科学者たちはひとつの結論を出した。
 もはや文明の崩壊は免れない。ならば、崩壊した後に文明を復興させる準備が必要だと。
 科学者たちは自分たちの研究成果を含め、文明復興に必要だろうと思われる技術全てを保存し、自分たちは冷凍睡眠装置に入って、きたるべき日まで眠りにつくことにした。



 それから、気が遠くなるほどの月日が流れる。



 赤木鳩美は目を覚ました。
 あたりは暗闇に満たされいる。鳩美は施設の管理システムを起動し、明かりをつけるよう命じる。
 照明が点灯すると、鳩美の周囲には冷凍睡眠のカプセルがズラリと並んでいるのが見える。
 鳩美はカプセルの一つを覗き込む。中には白骨死体があった。冷凍睡眠装置の生命維持機能は完全に停止している。
 装置は高い安全性を誇っており、故障率は基準を大幅に下回っていたが、確率はゼロではない。
 鳩美は装置が故障しておらず、まだ生きている人がいないかと調べてみた。
 しかし、駄目だった。装置は全て故障している。
 鳩美が最期に確認したのは、自分の生みの親が眠っているカプセルだった。
 親の無残な姿を目にした鳩美だが、悲しみはなかった。元々、そういった感情は生まれた時からなかったからだ。
 しかし、自分はこれから何をするべきなのかと考えることはできた。
 単に種族を存続させる以外の理由で生み出されない生物とは異なり、鳩美は明確な目的のもとに生み出された。
 鳩美はそれを達成しようと思った。
 一人だけ残されて他は皆死に絶えてしまった以上、それを成すことに意味など無い。完全な無駄なことだ。
 しかし、それでも鳩美はやろうと思った。無意味か有意義かは関係ない。そのために生み出されたのだから、そうするだけだ。
 鳩美はすぐに行動した。
 まず、自分の目的において重要な物がどんな状態なのかを確認しに行く。
 鳩美はそれが置いてある場所へとむかう。
 目的の場所に到着し、そこへと通じる扉を開くと、目の前には鋼の巨人がいた。明かりに照らされた装甲板からは、無骨な輝きが発せられている。
 それはアーマード・コア(AC)と呼ばれる全長約5メートルの人型ロボット兵器だった。徹底的な規格統一がされたことにより、状況に応じて腕部や脚部を交換して凄まじい汎用性を発揮する最良の戦闘兵器だ。
 格納庫に保管されているACはメアリー・スーMk9という。鳩美が生まれると同時に彼女のために作られたこの機体は、最初の試作機から何度も改良が行われ、9号機にしてようやく完成した。
 脚部のパーツによってACは幾つかに分類されるが、メアリー・スーは二脚型の中量級に分類される。
 これを使ってこの施設を防衛する。それが鳩美が生まれた時から与えられた使命であり、そのために必要なのは全て与えられた。。
 その時、鳩美は管理システムから地上へと繋がる入り口が開かれたことを知らされる。
 鳩美は施設の監視カメラから送られてくる映像を見る。侵入者だ。十数名で、ほぼ全員が武装している。加えて、外には二両の装甲車も待機していた。
 彼らは装備している銃火器はおろか、る衣服すら統一されていないので、明確な規律のもとに行動している集団ではないことが分かる。
 侵入者たちは装甲車とそれを運転する者を残して、残りは全て施設内に入ってくる。
 何のためにこの施設へやってきたのか分からないが、無断で入ってきたのならば、それは邪な目的であるのは間違いない。
 さっそく使命を果たす機会がやってきた。
 鳩美はメアリー・スーを起動させる。自分のために作られただけあって、もう一つの体のような一体感があった。
 現在、侵入者は外から格納庫へと繋がる通路を移動中だ。鳩美はその間に武器を選択する。ACといえども武器がなければ単に巨大な鉄の人形でしか無い。
 格納庫の壁には、複数の銃身を持つオートキャノン、化学弾を発射するバトルライフルなど、ACが使用する武器がひと通り揃っている。
 鳩美はその中で、折りたたみ式の実体剣を手に取った。選んだ理由は、強力な火器を使用すると、施設内に被害が出るからだ。
 入り口へと繋がる格納庫の扉が開かれる。鳩美は操作していない、やったのは侵入者の方だ。
 侵入者を排除するため、鳩美は一歩踏み出す。それは、これから始まる戦いの日々の第一歩でもあった。
 扉から侵入者達が入ってきた。彼らは自分達にあるてくるメアリー・スーを見て一様に驚愕した。
「なんでACが勝手に動いて……!?」
 先頭の一人が叫ぶが、言葉を言い切る前に鳩美が水平に振るった実体剣によって、上半身と下半身を真っ二つに切断される。
 上半身がくるくると空中で回り、そして床にたたきつけられる。その時、血が跳ねて近くにいた者たちにかかった。
 直後、侵入者たちから悲鳴が上がる。彼らは完全にパニック状態となり、ACの装甲に対して無駄にも関わらず、自動小銃を乱射する。
 小銃弾が装甲を跳ねる音を聞きながら、鳩美はもう一度実体剣を振るった。今度は四人が切断された。
 この時になって、ようやく残った侵入者は、こういった状況で本来取るべき行動、つまりは撤退を行った。
 鳩美は背面のブースターを噴射して、機体を滑走させて追いかける。そして、実体剣を左右に振るって、逃げる侵入者を始末する。
 施設内に侵入してきた者はこれで最期だ。後は外に待機している者たちと、装甲車を片付ければ良い。
 とはいえ、装甲車と戦うのは生身の人間とは勝手が違う。ACはあくまで『最良』の兵器であって、『最強』の兵器ではない。敵の装甲車には小口径ながらも戦車砲が搭載されている。装甲が頑丈なタンク型や重二脚型ACならともかく、メアリー・スーにとっては決して無視できない威力だ。
 鳩美は撃たれる前に撃破することにした。当たり前な対策だが、正しい選択だ。
 鳩美はブースターの出力を最大にする。すると、巨大な鉄の塊である機体が、まるで弾丸のような速度で前進する。
 通路を抜けて外へと飛び出す。同時に、待機していた装甲車に向かって蹴りを繰り出す。ブースターの加速と機体重量が凄まじい衝撃を生み出し、装甲車はまるでサッカーボールのように大地を跳ねた。
 もう片方の装甲車が砲口を鳩美に向ける。鳩美はブースターを瞬間的に吹かして接近し、敵が発射する前に実体剣を運転席に突き刺した。
 鳩美はゆっくりと実体剣を装甲車から引き抜く。刀身には血糊がべったりと付着していた。
 相手が弱かったものの、初陣としては上出来だった。
 戦闘を終えた鳩美は、施設内へと戻る。鳩美は初勝利の余韻に浸ること無く、次の戦闘について考えていた。
 今は、冬眠に入った時から数百年は経過している。当然、世界情勢は激変しているだろうから、まずは情報収集が必要だ。
 メアリー・スーが施設内へ戻ると、入り口の扉がゆっくりと閉じられる。
 扉が完全に閉じられる直前、鳩美はふと後ろを振り向いて外の風景を見る。視認できるのは先ほど撃破した装甲車の残骸だが、鳩美の意識はこれから戦うであろう敵たちに向けられていた。

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by ginseiseki | 2011-10-15 13:29 | 二次創作小説
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